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オリバーストーン「もうひとつのアメリカ史」と大島渚「忘れられた皇軍」=問われる歴史認識 [映画]

2014年01月13日
ご覧になった方も多くいると思う。二つのドキュメンタリー番組を紹介したい。
まず、オリバーストーン監督の「もうひとつのアメリカ史」。オリバーストーンといえば自らの体験をもとにしたベトナム戦争を描いた「プラトーン」がよく知られている。つい最近は辺野古移設に反対してマイケルムーア監督などと声明を発表した社会派の映画監督である。

さて、この作品は第2次世界大戦前夜からオバマ大統領誕生までのアメリカ史を振り返る。冷戦下では「ソ連の脅威」、冷戦が終われば「テロの脅威」を大義名分に戦争を正当化、原爆投下から朝鮮戦争、キューバ危機、ベトナム戦争そして中東、イラク戦争へといずれも軍事大国として破壊と大量殺戮の繰り返しだったことを歴代大統領とその側近らの証言で綴っている。


おおよそ「自由と民主主義」を最も重んじるはずの国アメリカの顔とは全く正反対の「殺戮と抑圧」という「もうひとつのアメリカ」の顔が映し出される。しかも、興味深いのはよく知られた戦争の他にも、例えば1972年のチリのアジェンデ政権の反革命クーデターなどのように世界各国の内政に介入し、アメリカ式資本主義を押し付け、搾取と収奪続けてきたことも断罪している点である。また、広島長崎の原爆投下は戦争犯罪と断定、関係者の証言を交え「必要なかった」と結論付けている。

もうひとつは、12日深夜日本テレビ系列で放映された大島渚監督の「忘れられた皇軍」である。旧日本軍に従軍し戦後復員した在日朝鮮人傷痍軍人会を取材したドキュメンタリー。彼らは両目失明、両足切断などの戦傷を負いながら、日本国籍でないため軍人恩給などの社会保障から排除される。

日本国内は東京オリンピック前夜で盛り上がるが一方で極貧生活を送りながら白装束姿で政府陳情や街頭行動を続ける姿を対比させる。最後に「日本人よ、これでいいのか」とのナレーションが脳裏に焼き付く。


今日、対中・対韓外交が行き詰まり、首相の靖国参拝で一層悪化する。秘密保護法を強行採決し集団的自衛権行使に突き進む。問われているのは、もう一つの歴史認識と確かな想像力である。

「もう一つのアメリカ史」はNHK・BS1が昨春放映したものを昨年暮れ録画しておいたもの。1回50分で10回シリーズ、長編である。再々放送はないようだが、DVDがでているらしい。一方「忘れられた皇軍」は19日日本テレビで再放送が予定されている。
1月14日、加筆
民主党の有田芳生議員によると、登場する李鶴来さんたちは今年89歳、サンフランシスコ講和で日本国籍を失い、恩給法の支給対象外となる。99年に最高裁が立法解決を促すが、いまだ進まず。要請書提出は安倍首相で29人目になる。
昔話ではない。


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